ネット炎上は怖い
ネットでの炎上事件をテーマにした本、『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち (光文社新書)』』の感想を書いていくよ。
この本の著者、ジョン・ロンソンはアメリカでTVのドキュメンタリー番組を制作している人らしく、本の内容も、著者が炎上を起こしてしまった人や関係者などに取材をする様子が描かれているドキュメンタリー作品だった。
ネット炎上を現代に蘇った羞恥刑と捉え、恥を捨てるための自己啓発セミナーに参加してみたり、仕事で女装をして女性専用のジムなどに潜入しようとする企画に乗っかったものの恥ずかしくて町へ出れず担当と気まずい空気になったりする様子も描かれていたりする。
多分著者はちょっと変わった人だろう。
本を読んで思ったのは、なんか具体例ばっかりで物足りないなあということ。
ということで釈然としなかった僕だが、ネットでは面白い資料を見つけた。
http://www.glocom.ac.jp/wp-content/uploads/2016/06/20160628_Yamaguchi.pdf
資料によると、一件の炎上について書き込む回数は、約70%の人が1〜3回。
4〜10回の人が約20%。
11〜20回、21回〜30回がそれぞれ3%ほど。
31〜50回が0で、51回以上が3%いるらしい。
51回以上というのが平均何回なのかはわからないけど、仮に平均60回とすると3%の人が全ての書き込みの31%を、70%の人が全ての書き込みの18%を書いている計算になる。
ネットも現実も格差社会は変わらないということか。
さらに、企業の株価はネットの炎上では下がらないが、マスメディアに取り上げられると下がるらしい。
マスメディア>ネットという構図は、ネットの発言格差から考えると妥当なのだろうと思うし、頭の悪い人がネットで増えると言われる原因はここらへんの格差からきている気がする。
twitterはフォロー数で信頼度がわかって発言に重みが出るかと思えるけど、日経新聞の記事によると実際はそんなにフォロワーがいなくてもリツイートが伸びることは多いみたい。
こういう現状は、『ネットリンチで人生を壊された人たち』に書いてあるフィードバックの理論で説明するとスッキリして
すぐに「称賛」というフィードバックがあったことで、称賛された側はそのままの行動を継続するという決断を下した。
という心理が働きやすいのがネットの炎上を起こしているんだなあと思った。